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2026-06-01

エワルト徴候 Ewart sign

  • 大量の心膜液が貯留した時にみられることがある局所的な肺の聴打診所見
  • 心膜液で左肺底部が圧迫され左肩甲骨下角下方に打診上の濁音域が生じる
  • 通常は左側(稀に右側)に触覚振盪の増強と吹鳴呼吸音(blowing sound)
  • 英医師 William Ewart (1848-1929) の報告に由来(Br Med J 1896;1:717–21) 
  • 別名はBamberger–Pins–Ewart徴候(循環器学用語集に収載)やPins症候群


Dr. Ewartの実際の報告より ← 130年前の論文が読めます)

💁 打診に関する過去の投稿は コチラ

松下記念病院 川崎達也)

2022-09-05

👴 歴史クイズ

CC BY-SA 4.0



松下記念病院 川崎達也)

2022-01-17

聴打診 Auscultatory percussion

  • 聴診と打診を組み合わせて身体所見をとる方法
  • auscultatory【ɔːskəltéɪtəri】(形容詞)聴診の
  • percussion【pərkʌ́ʃən】(名詞)打診,打楽器
  • 打聴診とも言う(ただし用語集には共に記載無)

適応疾患と方法
  1. 大腿骨頸部骨折 ➜ 恥骨結合部分に聴診器を当てて左右の膝蓋骨を指で軽くたたく
  2. 慢性硬膜下血腫 ➜ 額中央に聴診器を当てて額の左右を指で軽くたたく
  3. 胸水貯留 ➜ 坐位で中腋窩線に聴診器を当てて椎体や胸骨を順に指で軽くたたく

(解釈:左右差がある場合,音量が低下している方が患側)

👶 独り言
  • 心疾患では視診・触診・聴診と比べて,打診の臨床的意義は少ないと思われます().上記の胸水貯留以外であえて言うなら……思いつきません(すいません😅募集中)
  • 一方,視触診(例:頸静脈a波の時相確認)や視聴診(例:Ⅱ音を用いた頸静脈x谷とy谷の鑑別),触聴診は(例:複雑心音時の拡張期の確認)は多用されています(多分)

※ 以前に松下ERランチカンファレンスに投稿した内容の更新版です 🎶

松下記念病院 川崎達也)

2021-09-06

トラウベの三角形 Traube's space

  • 第六肋骨〜前腋窩線〜左肋骨弓で囲まれるスペースで通常は胃内のガスによる鼓音あり
  • この領域に濁音界があれば脾腫の感度は62%,特異度は72%(JAMA 1993;270:2218-21
  • ドイツの医師 Ludwig Traube (1818–1868)が発見(血栓症で有名なVirchowの同僚です)
  • ただし報告したのは弟子 Fraentzel(Berliner klinische Wochenschrift 1868;5:509-11)


  • 上図の黒線で囲まれる部分がトラウベの三角形で,脾腫を判定する他の打診は下記の方法がある
  • キャステル(Castell)法 ➜ 仰臥位+深吸気で前腋窩線の最も低い肋間の打診で濁音なら脾腫を疑う
  • ニクソン(Nixon)法 ➜ 右側臥位で左肋骨弓から頭側に打診して濁音界が8cm以内なら脾腫を疑う

🔍 トリビア
  • Traubeは,1816年に仏人医師ルネ・ラエンネックが発明した聴診器のチェストピ-ス(患者さんに当たる部分)を大きくした.聴診精度の改善を目指したようであるが,痛くなくなったことのほうが好評だったとか...
  • トラウベの単耳式聴診器は一部の国では胎児心音を確認するため現在でも用いられており(アマゾンで購入可能),日本助産師会のマークになっている.聴診器の歴史に興味がある方 ➜ コチラ


🉐 関連投稿(打診関連)

※ 以前に松下ERランチカンファレンスに投稿した内容の更新版です 🎶

松下記念病院 川崎達也)

2021-03-18

👴 歴史クイズ

(Public Domain)


松下記念病院 川崎達也)