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2025-01-16

今週の一枚 🎯

発熱が続く症例の眼瞼結膜

👀 点状出血(Petechiae)
  • 右の眼瞼結膜に複数の点状出血を認める
  • 収縮期雑音はあるが大動脈弁位は人工弁
  • 他の末梢サイン(オスラー結節など)無
  • 経胸壁心エコーで大動脈弁周囲は不鮮明
  • 経食道心エコーで大動脈弁の疣腫を確認
  • 血液培養4ボトルから全てE. faecalis検出
  • 最終診断はもちろん感染性心内膜炎(IE)

😐 IEあれこれ
  • 感染性心内膜炎で血管塞栓に関連した無痛性の点状出血が生じることは,カナダ生まれの内科医であるSir William Osler(1849–1919)が19世紀に既に記載している(Br Med J 1885;1:522-26).
  • その出現頻度は罹患部位や病期によって異なると思われるが,0.6~30%と報告されている(月間心エコー 2025年1月号).体のあらゆる部分に出現するが,眼瞼結膜や口腔粘膜が検出しやすい.
  • 感染性心内膜炎のDuke診断基準が2023年に改定された(Clin Infect Dis 2023;77:518-26).このDuke-ISCVIDクライテリアでも末梢サインは臨床診断の小基準として明記されている.
  • ちなみに欧州で行われた感染性心内膜炎3011例の前向きコホート研究(Eur Heart J 2019;40:3222-32)では,22.3%に発熱がなく,34.9%では心雑音を欠いていたことにも注目しておきたい.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(松下ERランチ・カンファレンスの名物コーナー)

松下記念病院 川崎)

2019-04-25

末梢サインの頻度


  • 各種末梢サインは感染性心内膜炎のDuke臨床的診断基準で小基準に含まれます
  • 心エコ-図で疣贅を認めなくても発熱 (38℃以上)+血培+末梢サインで診断可能

名称
特徴
頻度*
点状出血斑
無痛性(血管塞栓)
30%
オスラー結節 Osler's node
有痛性 (免疫反応)
3~10%
爪下(そうか)出血斑 Splinter hemorrhage
無痛性(血管塞栓)
10%
ジェインウェイ病変 Janeway lesion
無痛性(血管塞栓)
5~10%
網膜出血斑(ロート斑) Roth's spot
免疫学的現象
2~10%
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2019-04-18

発熱が持続する症例の口腔







👴 解説
  • よく見ると口腔粘膜に点状出血が散在している(ヒントの白丸)
  • 本例は最終的にMRSAによる僧帽弁の感染性心内膜炎と診断した

同所見はジェインウェイ病変やスプリンター出血,眼球結膜出血と同様に,敗血性梗塞を反映した血管現象の一つ.一方,オスラー結節や眼底👀のRoth斑(読み方はロスではなくてロート)は免疫学的機序で生じる.いずれにしても心エコー図で疣腫の有無を調べる前に末梢サイン(peripheral signs)の有無を丁寧に確認しておきたい.

関連投稿末梢サインの頻度  
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
松下記念病院 川崎達也)

2025-04-21

感染性心内膜炎:末梢サインの頻度

  • 感染性心内膜炎の身体所見では心雑音と末梢サインに注目します.心雑音や音質変化は感染性心内膜炎を示唆しますが,初診の症例でその判定は困難です.心雑音を認めない症例も3~4割あります(Eur Heart J 2023;44:3948-4042).
  • 一方,末梢サインの感度は低めですが,とても高い特異度を有しています.月間心エコーで原稿依頼を受けたときに,その出現頻度を調べたのでここに記載しておきます(調査した論文は心エコー 2025;26:22-6を参照してください).

末梢サイン 出現頻度
点状出血 0.6~30%
オスラー結節 1.9~10%
ジェインウェイ病変 1.6~10%
スプリンター出血 10~26%

😊 おまけ
  • 感染性心内膜炎のDuke診断基準が2023年に更新(Duke ISCVID基準:Clin Infect Dis 2023;77:518-26)され,末梢サインは臨床診断の小基準として今回も明記されています.心雑音に関しては新規の逆流性雑音に限ると記載
  • 末梢サインは,出現や消退が病期や病勢に影響され,塞栓に由来する所見は左心系の病態に限られますが,高い特異性を有しています.鑑別診断に感染性心内膜炎が含まれる病態ではエコー前に是非,確認したい所見です


松下記念病院 川崎達也)

2021-10-14

👀 眼クイズ

意識レベル低下と発熱で総合診療科に入院した症例



松下記念病院 川崎達也)