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2021-08-26

頸動脈の抬起性隆起 Carotid heave

突然発症した動悸でER室に搬入された高齢者

🍘 解説
  • 心電図を装着する前に頸部の明瞭な拍動に気がついた(なにはともあれ,まずココを見たい)
  • 触診で拍動が動脈であることを確認 ➜ 血圧が保たれる規則正しい頻脈 ➜ PSVTやAFL,PAT?
  • 心電図で逆行性P波を認め発作性上室頻拍(paroxysmal supraventricular tachycardia; PSVT)
  • バルサルバ負荷は無効であったが修正バルサルバ負荷で洞調律に回復し,自覚症状も消失した
  • 内頸静脈は視認せず(治療後は少し陥凹?)/外頸静脈は視認できるが中心静脈圧の上昇なし

🍙 臨床現場
  • 頸部拍動の性状がコリガン脈っぽいことを気にしながら治療を開始しました.不整脈の停止後にも大脈・速脈が続くため,「大動脈弁逆流や甲状腺機能亢進が合併した上室性不整脈かも…」と思いました.しかし本例は不整脈以外に特記すべき異常所見はなく,最終的に加齢に伴う動脈蛇行による偽コリガン脈と考えられました.

🉐 ヒトはいろんなところが拍動します
松下記念病院 川崎達也)

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