心電図異常(洞調律・ST-T変化)で来院した男性(座位)
😎 診察室中継
- 呼吸時の大きな胸壁の動きにめげずに心尖の拍動を探す
- 心尖拍動(矢印)を認識したら次はその位置を確認する
- 拍動が左乳輪外側とは言えないため心拡大はないと判断
- 次に拍動様式を分析:なにか”ごにょごにょ”している?
- 触るってみると二峰性拍動(ダブルインパルス)の疑い
- 拍動部位で大きなⅣ音を聴診して肥大型心筋症を疑った
- その後に心エコー図で心尖部肥大を確認しAPHと診断
😁 楽しい臨床
- 二峰性心尖拍動(ダブルインパルス)と言えば肥大型心筋症です(特異度98%:当院の臨床研究).心尖部肥大型心筋症に限らず,巨大Ⅳ音を示唆する所見です.視診・触診・聴診のいずれでも診断できますが慣れが必要でしょうか?
- 最近は,二峰性またはダブルにはあまりこだわらなくていいのではと思っています.リアルの臨床現場では本例の様に胸壁の動きも加わるため細かい判定はより難しく成ります.「なにかゴニョゴニョしているな〜」程度で十分です.
- 先月に経験した症例はHCMでギクシャクしている心尖拍動でした.視診から肥大型心筋症を疑い,心エコー図で確認する臨床スタイルは机上の空論ではありません.誰にでも可能で,かつ日常臨床を楽しくする知識だと思います.
👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(松下ERランチ・カンファレンスの名物コーナー)
(松下記念病院
川崎達也)
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