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2024-03-14

傍胸骨拍動の吸気負荷

CTEPH外来通院中の症例(仰臥位で左が頭側)

🐳 解説
  • 傍胸骨に置いた聴診器に明らかな拍動なし
  • 吸気に伴い聴診器に上下運動が出現(矢印)
  • 拍動は数拍持続しその後に不明瞭になった
  • 本例は状態は安定し日常生活で息切れなし
  • ただし心エコー図で軽度の肺高血圧は残存

🐟 復習
  • 抬起性の傍胸骨拍動は肺高血圧に伴う右室圧負荷を示唆します.稀に左房負荷(自験例)や肺動脈拍動(自験例)もあります.本例で認めた吸気負荷に伴う傍胸骨拍動の出現は潜在的な肺高血圧を示唆していると思っています.
  • 吸気中は中心静脈圧に加えて肺動脈圧や体血圧も上昇するため(過去の投稿),理論的には吸気負荷で傍胸骨拍動は増強されるはず.しかし同時に胸腔容積も増大して右室と胸骨の密着度の低下から相殺される可能性もあり?

松下記念病院 川崎達也)

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