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2023-07-13

診察室での簡便な負荷

慢性心不全でフォロー中の症例(数日前に息切れを自覚/現在は改善)

😽 解説
  • 端座位で内頸静脈の拍動なし ➜ 中心静脈圧の高度上昇なし
  • 吸気負荷で拍動は出現せず ➜ 中心静脈圧の中等度上昇なし
  • 吸気を保持したまた左上肢挙上で拍動なし ➜ ちょっと安心
  • さらに前屈位負荷を追加しても拍動は見えず ➜ かなり安心
  • 心不全は十分に代償されていると判断して内服薬は変更せず

😺 独り言
  • 本例で行なった負荷の組み合わせはとても簡便なので,時々診察室で行なっています.ただし吸気負荷による前負荷の増大や前屈位による胸腔内圧の上昇と比較して,上肢挙上に伴う心負荷のメカニズムは意外に複雑の様です(過去の投稿).
  • 蹲踞姿勢は前負荷増大+後負荷増大+胸腔内圧上昇で強い負荷です(トリプル負荷).吸気負荷+蹲踞姿勢は外来診察室で行える最強の心負荷(負荷の四重奏)でしょうか.もっとも蹲踞は膝痛などで実施できないことが少なくありません.

松下記念病院 川崎達也)

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