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2024-07-11

左優位 Lefty JVP

息切れと下腿浮腫の高齢女性(座位)

👿 解説
  • 頸部の左側に周期的な隆起あり(動脈?)
  • 深吸気で明瞭化+上縁上昇(静脈の疑い)
  • 触診で静脈性拍動を確認(心不全と診断)
  • 心エコー図で高度の三尖弁逆流TRを確認

💙 なぜ左?
  • 左側優位の内頚静脈の拍動は稀です.内臓逆位では左側優位ですが(自験例),聴診からは考えにくい病態でした.右内頚静脈の狭窄や左上大静脈の遺残では左側優位の拍動になりますが,いずれもCTで否定.原因不明の症例(微妙な静脈解剖に由来?)も経験あり(自験例1自験例2).
  • 本例はペースメーカ植込み後の症例でした.リードの影響で上大静脈から左内頚静脈への角度が浅くなっているのではと推測しました(下図).また液体(血液)が物体(リード)に引き寄せられるコアンダ効果の影響もあるのかもしれません.後に判明した心膜剥離術の既往も影響あり?


松下記念病院 川崎達也)

2022-09-19

稀に左>右

息切れで来院した症例

🐤 解説
  • 安静座位の鎖骨上で内頸静脈の拍動を視認 ➜ 中心静脈圧の上昇
  • その拍動は右側より左側で明瞭(矢印)➜ 呼吸負荷後も左側優位
  • 呼吸音は清であるが心尖部でⅢ音あり ➜ 非代償性心不全と診断

🔗 ひとり言
  • 中心静脈圧の推定には,右房との直線的位置関係から右側の内頸静脈を使用します(解剖図).しかし稀に本例の様に,左側の拍動がより目立つ方がおられます.上記動画では左から光があたっているため右側は少し影になっていますが,それを差し引いても拍動は左側優位でした.
  • 頸静脈拍動が左側優位である経験を内臓逆位の症例で経験したことがあります(過去の投稿).また左上大静脈遺残でも同様の所見をきたす可能性があります.ちなみに本例ではいずれの所見もないと考えられました.

松下記念病院 川崎達也)

2024-08-15

左優位② Lefty JVP (part 2)

労作時の息切れを訴える女性(座位)

😐 解説
  • 頸部の左側が周期的に拍動している(矢印)
  • 触診で静脈性の拍動を確認(心不全と診断)
  • 深吸気で右側にも明瞭な拍動が出現(矢頭)
  • 本例は最終的に心不全(PEF)と診断された

💙 なぜ左?
  • 左側優位の内頚静脈拍動は稀です.今までに内臓逆位(ココ)やペースメーカ(ココ)に関連した症例を経験したことがあります.
  • 本例には乳がんの手術歴がありました(ただし術式は未確認).また胸部CTでは右腋窩〜頚部のリンパ節郭清が示唆されました.
  • 本例ではこれらの影響で安静時に左側の内頚静脈の拍動が目立ったのかもしれません(もっとも吸気後は右側が目立ちましたが...😯)

松下記念病院 川崎達也)

2026-03-02

頚静脈:右 vs 左

動悸で来院時(前半)+息切れで来院時(後半)
同一症例で共に座位

😗 解説
  • 前半:右鎖骨上窩に速い拍動(矢印)
  • 静脈性拍動でフロッグサインと診断
  • 心電図は発作性上室頻拍(2:1伝導)
  • 後半:左側に遅い隆起性拍動(矢頭)
  • 用手圧迫が可能なので内頚静脈拍動
  • 心電図は洞徐脈で心不全発症と診断

💫 右 vs 左
  • 内頚静脈の拍動は,その解剖学的特性から,ほとんどの症例で右側優位に異常が出現します.稀に認める左側優位の内頚静脈拍動には,さまざまな原因(内臓逆位や頚部手術後,ペースメーカ留置後など)が考えられます(過去の投稿
  • 上記の動画は同一症例で,前半が6年前(ココ).頻脈時には右側の内頚静脈に異常が出現し,徐脈時には左側に異常が出現していることが面白いと思います(ちなみにTシャツも同じ?).両者の間に行ったアブレーションが何かしら影響?

松下記念病院 川崎達也)

2024-11-28

パワフルな静脈拍動

息切れで来院した症例

🐣 解説
  • 右側に加えて左側にも拍動あり
  • ただし拍動は陥凹なので静脈性
  • 吸気負荷で隆起に変化(矢印)
  • 呼吸変動の存在も静脈性に合致
  • しかし用手的圧迫では消失せず
  • 最終的な診断は非代償性心不全

🐥 呟き
  • 頚部拍動には動脈性と静脈性があります.静脈性を示唆する所見としては右側優位,陥凹パターン,呼吸変動あり,圧迫で消失などがあります.逆に動脈性なら,左側でも明瞭,隆起パターン,呼吸変化なし,圧迫されずなどです.
  • 本例では右側に加えて左側でも拍動が目立ちましたが,陥凹パターンで呼吸負荷による変化も伴っていたため視診だけで静脈性(内頚静脈)と診断できました.しかし強めの拍動で圧迫にも負けないチカラ強さには驚きました 😮
  • 右側では稀ながらパワフルな静脈拍動を経験しますが,左側では珍しいと思います.通常このような症例では座位であっても外頸静脈が怒張(注意を要する用語:過去の投稿)していることが多いのですが(自験例)... 奥深い

松下記念病院 川崎)