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2023-05-15
カエル徴候 🐸 Frog sign
😊
興味深い報告
(
J Innov Card Rhythm Manag 2022;13:5184-7
)
房室結節回帰性頻拍(
AVNRT
)でアブレーションを予定した78歳の男性.発作中にカエル徴候(
Frog sign
)が明瞭だったため,電気生理学的検査中に右房圧も同時測定.
上室性頻脈発作中の12誘導心電図
発作開始(VA = 0 ms)直後から右房圧に大砲波(
Cannon a waves
)が出現
発作終了後は右房圧の大砲波(Cannon a waves)が消失
💁
カエル徴候(Frog sign)
の過去投稿は
コチラ
(
松下記念病院
川崎達也)
2019-01-19
頸静脈クイズ
整形外科病棟から頻脈発作に対する診察要請があった
意識は清明で血圧は保たれている/頻脈は突然発症
頸静脈の規則正しい速い拍動 ➜ カエル🐸の喉の動きに似るため
フロッグ・サイン
と呼ばれる
房室結節リエントリー頻拍で出現しやすい(機序は右房と右室がほぼ同時に収縮するため)
心電図で診断を確定した後,バルサルバ法で洞調律に回復 ➜ フロッグ・サインは消失した
frog sign
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(
松下記念病院
川崎達也)
2019-07-08
今度は間違えなかった!
1週間前から急に動悸が出現し,その後に息切れを感じるようになった症例の頸部(座位+呼気止め)
👀
解釈
座位で内頸静脈の明瞭な拍動が鎖骨上に出現 ➜ 中心静脈圧は(かなり)上昇
拍動パターンは規則正しくて速い(カエル🐸の喉の動き)➜
フロッグ・サイン
心尖の聴診でギャロップあり ➜ 最終的に2:1伝導の心房頻拍による心不全と診断
実際の心電図
👿 コメント
本例は不整脈が出現して時間が経過して頻脈誘発性心筋症(tachycardia induced cardiomyopathy)を生じていた.中心静脈圧がある程度上昇していたため,すべての心房収縮波を明瞭に視認することができたと考えられた.通常のフロッグサインは,頻脈発作の発症直後は臥床+呼吸調整を行わないと観察しにくい(
自験例
).前回は安易にフロッグ・サインと誤診したが(
コチラ
),今回は大丈夫だった(👍).ただし通常のフロッグ・サインは房室結節リエントリー頻拍で生じるため,本例のような場合もフロッグ・サインと呼んでいいのかは不明
frog sign
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(
松下記念病院
川崎達也)
2023-06-29
フロッグ
様
サイン
突然生じた動悸でERを受診した症例(仰臥位)
🚑 現場実況
血圧低下はないが頻脈(動画中のモニター音に注目)
内頸静脈は視認できないが外頸静脈(陥凹)は明瞭
拍動パターン解析は困難であるが静脈圧上昇はなし
頸動脈の拍動(もちろん隆起)も僅かに観察できる
吸気負荷で外頸静脈は怒張(隆起して拍動が消失)
PSVTと診断:
修正バルサルバ法
は無効でATPで停止
🐸
追加コメント
本例はおそらく房室回帰性頻拍(
AVRT
/WPW症候群)と考えられました.外頸静脈の拍動であるため,単なる洞頻脈でも同様の所見になると思われます.房室結節回帰性頻拍(
AVNRT
)で有名な
フロッグサイン
(frog sign)とは少し異なる身体所見です(右房と右室がほぼ同時に収縮するため内頸静脈に出現).ただしこのカエル徴候はAVRTや心房頻拍(AT)でも出現することがあるので(
自験例
),AVNRTとイコール関係ではありませんが...
(
松下記念病院
川崎達也)
2020-06-01
🐸 頸静脈クイズ
突然生じた動悸感と起立時の立ちくらみで来院
🐸
フロッグサイン
右鎖骨上窩で内頸静脈の早い拍動が視認できる(由来はカエルの喉元の動きに似るため/命名者は不明?)
心電図では2:1伝導の心房頻拍が疑われた(下図)➜ 治療抵抗性で最終的に電気的除細動で洞調律に回復
機序は心房収縮のタイミング(矢印)が収縮期(三尖弁閉鎖中)であるため心房内血流が内頸静脈に逆流
本例ではP波のタイミングは2種類(QRS直前とT波後半)➜ よくみると頸静脈の隆起も大小の2種類?
🐤 独り言
フロッグ・サインは日常臨床でしばしば見かける(
自験例1
・
自験例2
).頸静脈の規則正しい速い拍動から安易にフロッグ・サインと誤診しないことが大切(
自験例
).フロッグ・サインは内頸静脈の早い
隆起
(陽性波)であるのに対して,心不全の頻脈時は早い
陥凹
(陰性波)を示す(
自験例
).
身体所見の大家
サパイラ先生
は心拍数が毎分100回以上では(初心者は)波形解析を試みないよう述べている(Sapira's Art and Science of Bedside Diagnosis, p363)が,フロッグ・サインは分かりやすいので覚えておきたい.ついでに不整脈を停止させる
修正Valsalva⼿技
も復習しておきたい.
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(
松下記念病院
川崎達也)
2024-03-04
🔍 最新論文:流し読み
📍 Cannon A wave validation as a diagnostic tool in paroxysmal supraventricular tachycardias
(
※
)
背景
房室結節回帰性頻拍(AVNRT)のフロッグ徴候(キャノン A波)は伝統的に知られているが体系的評価はされていない
対象
短いVA間隔(AVNRT+中隔副経路AVRT)と長いVA間隔(非定型AVNRT+左自由壁副経路AVRT)に分類した100名
結果
キャノンA波はAVNRTと関連しないが(p = 0.058),短いVA間隔と関連(p<0.001).CVPはVA間隔と反比例(p<0.001)
結論
キャノンA波の存在は短いVA間隔の頻脈という最終診断と関連する
CVPとVA間隔は逆相関
CE-542-03
(同グループの発表抄録)
👽 追加コメント
フロッグ徴候の機序(房室弁の閉鎖時に右房収縮)を考えれば本研究の結果は理にかなっています.きっと症例数が増えればフロッグサインとAVNRTは有意に関連してくると推測します(本研究では100症例の検討でp = 0.058).
中心静脈圧の上昇は頻脈期間や基礎心疾患とも関連しそうです.心不全を伴えば中心静脈圧が上昇し頸静脈拍動がより明瞭になるからです(
自験例
).この
カエルサイン
と
ハミングバード徴候
(当院提唱)の普及に期待しています.
(
松下記念病院
川崎達也)
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