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2020-01-23

バルサルバ負荷に対する頸静脈の反応

  • 肥大型心筋症例の頸静脈(安静座位 ➜ バルサルバ負荷)

🐧 解説
  • 安静時には頸静脈の拍動は目立たないが,バルサルバ負荷で外頸静脈の陽性波(a波)が短時間明瞭化する.肥大型心筋症では内頸静脈の増高したa波が特徴的であるが(実例),座位で視認することは稀である(あっても僅か ➜ 実例).そんな時にはバルサルバ負荷や蹲踞などでa波出現の有無を確認してもいいのでは…
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(松下記念病院 川崎達也)

2020-01-13

👴 歴史クイズ

(Wellcome Images)


(松下記念病院 川崎達也)

2020-01-09

拡張期クリック

  • クリックと言えば僧帽弁逸脱時に生じる収縮期クリックが有名
  • しかし特殊状況では拡張期にも生じる(機序は逸脱が戻る音)
  • 下記の自験例は腱索断裂による逸脱で生じた急性僧帽弁逆流



※通常の収縮期クリック(赤矢印)に加えて拡張期クリック(赤矢頭)に注目



👾 おまけ
  • 本例の経胸壁心エコー図はプローベが破損したかと思うような逆流シグナルで僧帽弁逆流の原因はよく分からなかった.その後に行った経食道心エコー図で腱索断裂によるA2とA3の逸脱と診断できた.

🔊 関連投稿 (過剰心音シリーズ)
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(松下記念病院 川崎達也)

2020-01-06

眼クイズ

倦怠感を訴えて来院した症例の右眼(指で下眼瞼を押し下げている)



フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(松下記念病院 川崎達也)

2020-01-02

今年こそ触れずに診断!

息切れで来院した症例の頸部所見(左は座位/右は臥床で枕あり)


🐧 解説
  • 座位で明瞭な頸部の拍動が,臥床では不明瞭である.拍動は陽性波 ➜ 頸静脈なら巨大v波(ランチージ徴候),頸動脈ならコリガン脈. ポイントは巨大v波ならば臥床で消失することはない(むしろ増強:ただし強い怒張で拍動が不明瞭になることはある).一方,コリガン脈は座位の方が観察しやすい(重力による虚脱増強のため).本例は最終的に高度の大動脈弁逆流によるコリガン脈と診断された.
  • 頸静脈の拍動が動脈性か静脈性かは触診で概ね鑑別できる.分かりにくい症例でも,呼吸性変動の有無や聴診の併用(例:Ⅱ音を跨ぐか否か)で判断可能.でも視診のみで診断できらたカッコいい.これは心エコー図の前に聴診で弁膜症を診断することと似ている.もちろん視診は診断だけでなく治療効果の判定にも有用 ➜ 自験例
フィジカル 広場 心臓 physical exam examinationランチシ
(松下記念病院 川崎達也)

2019-12-30

心機図

👉 定義
  • 心臓・大血管から発生し,かつ耳では聞こえない低周波の振動のうち,胸壁あるいは皮膚を介して認識しうる振動を,変換器(トランスデューサー)と増幅器を用いて波形として記録したもの 

「心疾患の視診・触診・聴診 心エコー・ドプラ所見との対比による新しい考え方」より

  • 肥大型心筋症に特徴的な所見を示した自験例

😶 心尖拍動図の解説
  • 緩徐流入波(SF)に続く大きな心房収縮波(A) ➜ A波とⅣ音(S4)の一致に注目
  • 立ち上がり点(C)は左室収縮の開始点で概ね心電図R波の頂点付近と一致する
  • 駆出点(E)後に収縮後期の小隆起(end-systole shoulder, ESS)を経て急下降
  • 肥大型心筋症ではE〜ESSの隆起が持続する抬起性拍動を形成することが多い
  • 本例は大きなA波と抬起性拍動で二峰性心尖拍動(ダブルインパルス)を形成
  • 拡張早期最低点(O)の後に急速流入波(RF)が続く ➜ Ⅲ音があればRFに一致
  • 本例はⅡ音(S2)後に低調な振動を認めるがRFとは不一致でⅢ音と断定できず

心機図に関連する過去の投稿 ➜ コチラ(画面右の分類からも選択可能です)
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(松下記念病院 川崎達也)

2019-12-26

傍(だけでない)胸骨拍動

食欲低下と下腿浮腫で来院した女性の胸壁運動(右が頭側でタオルは乳房を覆う)


🐌 解説
  • 明瞭な傍胸骨拍動(というより胸部全体の上下運動)➜ 呼吸は腹式で胸壁運動とは独立
  • 右室が拡大し胸骨裏面に広く張りつくためで,右室収縮期圧は60mmHg以上の予想(※)
  • 健常者では傍胸骨拍動は触知しない(胸壁の薄い若者ではタッピングを触れることあり)
  • 本例は僧帽弁逆流と三尖弁逆流による両心不全と診断(推定肺動脈収縮期圧は80mmHg)

📌 関連投稿 ➜ 傍胸骨拍動
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(松下記念病院 川崎達也)

2019-12-23

👴 歴史クイズ

(Public Domain)


(松下記念病院 川崎達也)

2019-12-19

肺動脈拍動

  • 息切れで来院した中年女性の胸部(第2肋間胸骨左縁に付箋)
  • 抬起性の傍胸骨拍動やⅡ音肺動脈成分の亢進+往復雑音あり


🐥 解説
  • 黄色付箋が周期的に拍動(隆起)している(左右の動画は同時相)
  • 隆起は2LSB〜Erb領域に限局し時相は収縮期 ➜ 肺動脈拍動の疑い
  • 聴診+触診でⅡ音の時相で僅かな振動 ➜ Ⅱ音肺動脈成分の触知
  • 本例の最終的な診断は心房中隔欠損症+肺高血圧症+肺動脈拡大

👶 Erbの謎
  • Erb's point (cardiology)は第3肋間胸骨左縁付近でⅡ音が最も聴取しやすい場所として知られています.ドイツの神経内科医 Wilhelm Heinrich Erb (1840–1921)に由来しますが,彼は頸神経叢の皮枝が頸筋膜浅葉を貫通して胸鎖乳突筋の後縁から表層に出現する部位Erb's point (neurology)としての方が有名
  • 意外なことにErb自身の出版物としてErb's point (cardiology)に関する記載はないようです.しかし1890年代にErb自身がドイツのハイデルベルグで行った講義でErb's point (cardiology)について説明し,それ耳にした米国の医師の記録が最近発見されました(Dtsch Med Wochenschr 2018;143:1852-7)
  • Erbと書いてエルプと発音すると長年信じてきました(ただしエルブ派も少なくありません).循環器用語集には未登録で,Google Scholarでも同数(エルプ領域+心臓は4件,エルブ領域+心臓も4件).米国や英国の発音はアープスと聞こえるし,母国ドイツ人の発音は多様です.是非 ココ で確認してみて下さい.
フィジカル 広場 心臓 physical exam examination
(松下記念病院 川崎達也)

2019-12-16

手クイズ

  • 発熱で来院した症例の左手掌に有痛性の隆起した紅斑を認めた


(松下記念病院 川崎達也)